現在の社会では、AI を用いた新しいサービス、デジタルデータを用いた既存産業の変革、地方産業のデジタル創生など、インターネットを前提にした高度 IT 化や、5G を利用した IoT やドローン等に代表される新しい IT技術が次々と生まれるなどICT分野は急速な発展を遂げています。
地方においても、農業や漁業 の IT 化、従来 IT とは関係の無かった産業においてもグローバル化の競争に巻き込 まれており、クラウドの利用やワークフローの IT 化を推進せざるを得ない時代となっています。
来るべき時代の高度 IT 化に対応するためには、IT 技術を理解して既存のワークフロ ーと IT 技術導入の設計融合を指揮することのできる人材である、「アーキテクト人材」 が求められています。アーキテクト人材は、これまでのように個々の IT 技術に特化し たエキスパートではなく、様々な分野の技術を普遍的に見渡すことができ、システムを構築するための適材適所となる技術を選択する技術を有しています。
しかし、現状ではこのようなアーキテクト人材はごく少数しか存在しません。通信事業者等やICT 関連企業、システムインテグレータにおいてもこのような人材は不足しています。
経済産業省の調査によれば、今後もICT環境を支えるためのIT人材は不足することが予想されるとの結果が出ており、とりわけ「アーキテクト人材」が更に不足することが予想されます。
私たちは、こうした問題に対処すべく、IoT時代のITインフラを支えるための人材「アーキテクト人材」の育成に向けて、一般社団法人 AITACを設立しました。
アーキテクト人材によって、アイディアをいち早くサービスとして具現化することが可能となり、サービスの柔軟かつ迅速な提供が可能となります。
AITACは、国内外の社会人・学生を対象に、Software Defined Network(以下、SDN)/ NetworkFunction Virtualization(以下、NFV)等の技術・スキル習得のための体系的な育成カリキュラムの策定・提供、産官学と連携した教育訓練の場の整備ならびにSDN/NFV等の情報通信技術に関する資格認定制度の整備を行います。
DXやAI等と情報システムを取り巻く環境は、大きな変革の時期を迎えています。今や多くの方が、インターネットをはじめ社内のインフラもあるのが当たり前であり、この情報インフラを使ってDXやAIを推進するために、AIエンジニアやデータサイエンティストに対する要求や期待が高くなってきているのは周知のことだと思います。しかし、あるのが当たり前だと思っている情報インフラは、本当にこれからの様々な情報システムを構築するに足りるインフラなのでしょうか?
これからの情報システムは、単にAIのスペシャリストやデータサイエンティストだけでは、本当に要求に応えられる情報システムを構築することはできません。AIの為の計算リソース、データへのアクセスや保存の為のストレージシステム、そしてこれらのデータを淀みなくシステム間で流通させるネットワークなどトータルにシステムを考え、設計し、運用できるアーキテクトが重要なのです。また、サイバーセキュリティに対する社会的責任も日増しに増えてきています。システム全体を俯瞰し、どのようなサイバーセキュリティの脅威があるのかを把握できるのは、システム全体を設計しているアーキテクト以外対応することはできません。
最近の情報インフラを取り巻く技術は、5Gに代表されるように、大きな革新が起きています。ネットワークが単に箱と線から構成されるハードウェアの時代から、ソフトウェアとして動作し、アプリケーションの要求にダイナミックに応じるネットワーク環境へと変化してきています。
AITACでは、このようなシステム全体を設計し運用できるインターネット・アーキテクトを輩出するために、関連企業や大学等の専門家が集まって組織された団体です。企業の垣根を越え、専門家が手を結び、次世代の情報インフラを担う人材を教育し輩出していくことがAITACのミッションです。
多くの方々にAITACを知って頂き、またAITACをうまく利用して、1人でも多くのインターネット・アーキテクトが次世代の情報インフラを確り担ってくれることを、AITACに関わる皆様方と推進していきたいと存じます。
2021年6月
一般社団法人高度ITアーキテクト育成協議会(AITAC)
理事長 中村 修
中村理事長 略歴
慶應義塾大学環境情報学部 教授 慶應義塾ITC所長
WIDEプロジェクト ボードACM会員 電気情報通信学会会員 ISOC会員
1983年、慶應義塾大学工学部数理工学科卒業。博士(工学、慶應 1993年)。1990年、東京大学大型計算機センター助手。現在慶應義塾大学情報学部教授。1987年からWIDE Project、1994年からINTEROPのShowNet構築・運営及び広帯域InternetやIPv6の研究開発・普及、2009年から藤沢地域WiMAX運用・5G研究開発に携わる。2017年より慶應義塾Information Technology Center 所長。2020年より慶應義塾サイバーセキュリティ対応チーム長。
AITACとは Advanced IT Architect Human Resource Development Council の略で、新たに設立された「一般社団法人 高度ITアーキテクト育成協議会」の英文表記となります。 高度ITアーキテクト育成協議会は、IoT/AI時代の新たなインフラエンジニアを育成すべく設立された一般社団法人です。
ソフトウェアと仮想化技術を最大限に活用しサービスとネットワークを構築できる「トップアーキテクト」の育成を目指します。
名称 | 一般社団法人 高度ITアーキテクト育成協議会 |
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設立日 | 2017年7月26日 |
所在地 | 東京都新宿区西新宿一丁目6番1号 新宿エルタワー12階 |
理事長 | 中村 修(慶應義塾大学環境情報学部 教授 慶應義塾ITC所長) |
活動内容 | SDN/NFV等の情報通信技術習得のための育成カリキュラムの策定・提供、講座開催、関連資格の認定制度の整備等 |
東京都新宿区西新宿一丁目6番1号 新宿エルタワー12階
一般社団法人 高度ITアーキテクト育成協議会では、IoT時代のITインフラの運用・管理を担う人材の育成に寄与することを目的として、次の事業を行います。
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